竜爪園のリコリス
M・Mさんをお送りして
去る7月12日私たちはユニット型の個室が出来た時からご利用頂いていたMさんを104歳でなくしました。
Mさんはこのところ召し上がる物が少くなり、皆で心配をしていましたが10日の日は食堂の椅子に腰掛けてお好きなものだけ少し召し上がっていました。11日の夜10時頃お孫さんご夫妻がおいでになるととても嬉しそうに「ありがとう」とおっしゃり、「もう眠くなったから」とおっしゃってお孫さんとお別れになったそうです。その後職員が12時頃訪室した時も「ありがとう」とおっしゃっていたそうですが1時頃うかがったらもう呼吸はしていらっしゃらなかったそうです。とても静かにお休みになっているようでした。
私が知るMさんは最晩年の6年間だけのことですが、Mさんに出会えたことだけでもこの仕事にかかわっていて本当によかったと思います。Mさんは常に自分の事よりも相手の事を先に気遣って下さるのです。職員にも常に「寒いから風邪を引かないようにね」「気をつけて帰ってね」「大丈夫?」等等おりにふれてみんなにお声をかけてくださるのです。また「ありがとう」や「うれしいねー」とおっしゃって私たちをねぎらってくださいました。
娘さんを先に亡くされているのですから、Mさんの人生も決してお幸せな事ばかりではなかったと思います。ご自分には厳しく、以前は朝夕乾布摩擦をし、足が弱ってくるとベットサイドで屈伸をして気をつけていらっしゃいました。決して愚痴や弱音、人のうわさなどを話された事はありませんでした。
とてもMさんのようには出来ませんが、私にとって如何に年を重ねていくかの理想の目標です。若い職員が「Mさんのことは絶対忘れないね」といっているのを聞くにつけても、人生の大先輩として様々のお手本を示してくださったと思います。
Mさんとの交わりに感謝して、ご冥福をお祈りしたいと思います。

